- 酒井潤さんが手がけている教材の使い方・裏側が分かる
- シリコンバレーのエンジニア目線での、初学者の学習法やキャリア戦略が分かる
- エンジニアとして成功するためのマインドセットが学べる
酒井さんのUdemy全教材を解説した記事はこちら
シリコンバレーが詰まった数々の神教材
──執筆されている書籍(複業の思考法)やYouTube、Udemyの講座の「対象者」「おすすめポイント」を教えてください。
複業の思考法は、シリコンバレーに行きたい方や、複業に興味がある方に読んでいただきたいですね。
日本は複業をするという考え方があまりないので、ポイントとしては複業の考え方が分かるということですね。
シリコンバレーに興味がある人
副業に興味がある人へ
シリコンバレー発 スキルの掛け算で年収が増える「複業の思考法」
YouTubeは、シリコンバレーの働き方や使われている技術に関心がある方を対象としています。
働き方でいうと、日本はまだまだ効率的に働けていない部分が多いので、シリコンバレーのトップのIT産業の人の効率的な働き方を知れるという点はポイントです。
Udemyのポイントは、世界トップクラスのエンジニアのコーディングの仕方をお伝えできる点ですね。
PEP8というPythonのコーディング規約があるんですけど、シリコンバレーでは、そういったコードを記述する際の暗黙の了解があるんですよね。
コメントで内容を説明しなくても、変数名の付け方など配慮されていて、英語の文章を読むようにスラスラとコードが読めちゃうんですよ。
日本では浸透していないので、その辺りの世界トップクラスの人たちのコードの書き方をお伝えできるのはポイントですね。
Pythonの基礎・アプリ開発から
世界トップレベルのコードの書き方まで
現役シリコンバレーエンジニアが教える
Python 3 入門 + 応用 +アメリカのシリコンバレー流コードスタイル
──コードスタイルにまで言及してあるように、酒井さんの講座は「網羅性の高さ」が特徴だと思います。その点にこだわりがあるのでしょうか。
そうですね。例えばテスト一つとっても、シリコンバレーではかなりうるさく言われます。
日本では、メインのコードとテストを記述する人が分かれていたりするんですけど、
シリコンバレーでは、基本的に同じ人がテストまで記述します。
アジャイル開発でも一人で複数のことをやるというのが行われているので、そういった点で、一人でメインからテストまで行える方が、こちらでは評価されるため、網羅性を高くしています。
アジャイル開発を知らない人
開発をマネジメントする人へ
現役シリコンバレーエンジニアが教えるアジャイル開発
──徹底的にシリコンバレーで行われていることを講座にしたという感じですね。
そうですね。ドローンやブロックチェーンの講座もシリコンバレーで流行っていたので作りました。シリコンバレーのトップ技術を伝えたいという想いはありますね。
ドローンなど最新のロボット技術に興味がある人へ
現役シリコンバレーエンジニアが教える
未経験者のための
Pythonドローンプログラミング
希少性の高いブロックチェーン技術に興味がある人へ
現役シリコンバレーエンジニアが教える
Pythonで始めるスクラッチからの
ブロックチェーン開発入門
──今後はどのような講座をリリースしていく予定ですか。
一つは、作業効率を上げる講座です。
シリコンバレーでは、日々の作業効率をあげるのは当たり前なんですけど、日本ではその感覚がない人が多いので、作業効率を上げるプラグインの基礎講座を出そうと思っています。
もう一つは、マイクロサービスに関する講座です。
Netflixが前からやっていたんですけど、マイクロサービスを取り入れることで、特定の言語に特化して開発ができますし、トラブルが起きてもその部分だけ対応すればいいという利点があり、大規模システムで注目されている方法です。
初学者はメンターをつけて実践しろ
──もし酒井さんが初学者に戻ったら、どのように学習しますか。
今の時代、オンライン教材が豊富になってきたので、まずはそれを使って勉強します。
オンライン教材を使って、ある程度基礎を学習した後に、調べながら自分が作りたいサービスを作るのがいいと思います。やはり実践することで一番実力がつくので。
ただ独学でやるよりも、誰かに教わった方が早く上達するのは間違い無いです。私が学習した時も、自分よりできる人をメンターにして、いつでも聞ける状態にしていました。
一人で実装すると、本当にこれで正しいのかなという不安があるので、自分で実装したものを見せてコードレビューをしてもらっていました。その時が一番実力が伸びたと思います。
その点、CodeCoachingでされているアプローチはすごくいいと思います。
私の時代では、メンターを探すのが大変だったんですが、こうやって簡単に優秀なエンジニアに教われるのは、とてもいいサービスだと思います。
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エンジニアで勝つための「キャリア戦略」
──もし酒井さんが初学者に戻ったら、どのようなキャリア戦略を立てますか。
僕は給与が高いということでアメリカに行ったんですけど(笑)
もし日本であれば一旦、エンジニアとして会社に入ります。日本は解雇されにくいので、その会社でエンジニア力をつけてからフリーランスになる方法がいいと思います。また以前の会社名をプロフィールに書けたりするので。
いきなりフリーランスとして働くのが怖いのであれば、本業でエンジニアとして働きながら、副業でフリーランスをやってみる。その中で太い客をつかんで、仕事を安定的に受注できるようになってから独立しますね。
優秀な人は初めから独立しても仕事が取れると思うけど、普通の人は取れないと思うので、別で本業をしつつ、副業でフリーランス力をつけるというやり方がいいと思います。
──日本ではそもそも、未経験者がエンジニアとして入社することのハードルが高いのですが、その点はどう思われますか。
確かに、日本は簡単に解雇できない分、実務経験のない人をエンジニアとして迎え入れるってことはなさそうですよね。
エンジニアとして転職したい人は、今の本業を続けながら副業として実務経験を積み、転職するという流れがいいかもしれませんね。
まさにCodeCoachingがやっているアプローチですね。すごくいいと思います。
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──フリーランスとして働くときのポイントは何だと思いますか。
三つあって、一つ目は、いつでも仕事をとってこれるネットワークがあること。
独立した時って、お客さんがつくのか、お客さんが離れていかないかが心配だと思います。
フリーランス同士で仕事を紹介するようなネットワークとかあれば強いですよね。
二つ目は、大きな仕事を発注してくれる太い客を掴むこと。
初めのうちはクラウドソーシングを使って小さい案件をこなしてもいいと思うけど、それだといつまでも時間単価が上がっていかないですよね。
どこかのタイミングで、大きな仕事を発注できるような大企業の人たちが求めていることをリサーチして、その技術を身につけてネットワークに入り込むということが大切ですね。
三つ目は、SNSで発信すること。Twitterでの発信やQiitaでブログを書くなどして自分をアピールできる人は強いですよね。
「できるエンジニア」の思考法
──酒井さんにとって「できるエンジニア」とはどのような人ですか。
できる人は「キャリア構築力」があります。環境を変えることができる。
日本人は、努力でなんとかなるといった考え方があるけど、こっちでは環境が人を優秀にするという考え方があります。
優秀なエンジニアは、同じ会社で技術を極めるのではなく、会社の格や人材のレベルが高い環境に転職することで、スキルを向上させています。
──酒井さんは徹底的にリサーチするという印象がありますが、情報収集の際に、心掛けていることはありますか。
他人の意見を聞かないということですかね。数字や統計データを元に自分で意思決定する。
例えば、アメリカで働きたいと言うと、ほとんどの人は「英語ってできるの?」というところから始まるんですけど、
結局アメリカで働く時にTOEICなど英語のテストも関係ないし、アメリカにある日系企業に勤めればH1Bという就労VISAが出るので、英語ができなくてもいいという結論に至るんですよね。なので第一印象で決めないってところですね。
これからどういう技術が流行るのかについても、統計データがあるんですよね。どのプログラミング言語が盛り上がっているのか、はたまた人気が低下中なのかという情報は、検索すれば数字やグラフが出てくるんですよ。
また、シリコンバレーだとアーキテクチャーという情報収集が役割みたいな人がいて、社内でエンジニアたちが技術選定で困ったときにアドバイスしてくれるんです。
「Goってもう使えるの?」とか「新しいライブラリが出てきたけど古いのとどっちを使うべき?」とか、そういう時にアーキテクチャーに聞けるんですね。
だからあまり自分で調べなくてもよい上に、アーキテクチャーの人が流行の技術についてプレゼンにまとめてくれることもあるので、そういう社内セミナーに行くだけで割と情報を得られます。
──2021年、シリコンバレーでの最新のトレンドは何ですか。
「AI」「機械学習」「ブロックチェーン」「自動運転」「フィンテック」「5G」「ヘルステック」「フードデリバリー」イーロンマスクの「宇宙産業」などですね。
シリコンバレーのトップ企業のCEOがやり始めたとか、ベンチャー・キャピタルが投資し始めたという情報を見れば、周りの企業がやり始めて、スタートアップが起こる。
服でもお金を持っている企業が広告を出して流行を作っていくように、IT業界でもシリコンバレーの世界をリードするお金持ち企業が資金力で流行を作っていきます。
トレンドってお金の動きを見ていたら簡単に分かります。
──座右の銘はありますか。
小さい頃から他人と同じことをやっても同じようにしか伸びないと考えていたので、「自分の勝てる領域で、他人と違うことをする」ですね。サッカーでも仕事でもそうです。
今流行りの「AI」「機械学習」「ブロックチェーン」を目指しても、流行の分野は世界のトップエンジニアがやりだすので勝つのはなかなか難しい。もちろんお給料はめちゃくちゃ良いんですけれども、私はそこをあえて避けています。
Splunkはビッグデータの会社なんですが、私はそのビッグデータのコア部分ではなくて、ビッグデータをクラウドで提供するバックエンドのところをやっています。
儲かる企業に入る時に、その企業のピラミッドの中でコアエンジニアがやらない部分を自分は狙いました。こういう感じで、戦略的に自分の勝てる領域を狙っていった方が良いと思いますね。
これからのビジョン
──これからのビジョンはありますか。
今のところは、シリコンバレーで上に行くよりも、Udemyなどの副業やサッカーのコーチなど、自分のやりたい方向にシフトしていきたいですね。経済的自由もある程度達成されているので。
ただ、こうやって、今後のビジョンを考えるときに、自由な選択肢がたくさんある状態っていいですよね。
リタイアしてもいいし、Udemyの収益だけで起業してもいい、オープンソースで開発してでかい企業を作っていくのもよし。
自分の好きなことをやっていくと思います。
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東京大学工学部システム創成学科。株式会社CodeCoaching代表。
プログラミング学習における異様な挫折率の高さや、スクールの高額な料金設定に問題を感じ、プログラミング学習を民主化するべくプログラミングスクールCodeCoachingを創業。
受験生時代、本屋に行っては参考書を立ち読みするほどの教材オタクで、田舎の県立高校から独学で東大に合格。
受験が終わった今もそのクセが抜けず、日々プログラミングの教材を見つけては研究している。